国際結婚に関する在留資格
ここ最近はグローバル化に伴って国際結婚のご夫婦も増えてきました。結婚に関する在留資格は「日本人の配偶者等」と「永住者の配偶者等」があります。ここでは「日本人の配偶者等」について説明していきます。「永住者の配偶者等」も大筋は同じになります。
審査のポイント
国際結婚自体は正規の手続きを行えばよほどのことがない限り認められます。その勢いで「配偶者のビザなんて簡単に取れるだろ」・・・・・と思い自分で申請してみたけど、不許可で行政書士に依頼するという方もたくさんいらっしゃいます。最近でこそ減少傾向にありますが、一昔前は偽装結婚なども多かったため配偶者等の在留資格も非常に厳しい審査がなされます。
「夫婦二人が心から結婚することを望んでいるか」ということは非常に重要な審査項目となります。つまり「偽装結婚」ではないかということです。
この真相を突き止めるためにありとあらゆることを聞かれます。出会いのきっかけ、交際に至ったいきさつ、相手のどういうところが好きか、結婚後どうやって生計を立てていくつもりか、子どもはほしいのか等々。プライバシーの侵害ではないかと言いたくなるレベルですが、それぐらい厳しく審査されると思っていただいて結構です。また二人でいっしょに写っている写真も提出を求められます。写真は多めに提出(10枚以上)した方が信憑性が増すため、これから国際結婚を考えていらっしゃる方は写真が嫌いな方であってもたくさん撮っておくことをお勧めします。
日本人配偶者の収入が低い、あるいはアルバイトや派遣社員など非正規雇用である場合、審査が厳しくなります。結婚が成立し在留資格が無事に発給されたとしても経済的にしっかりした基盤がなければ、長期的に夫婦関係を築けるのか疑われてしまうからです。また生活困窮による犯罪行為も懸念されてしまいます。
ですので例えば外国人の方が今日本におらず来日後職探しをするなどの場合は、その人の職歴や所持している資格、技能などを証明する必要があります。さらには自身及び配偶者の貯金や資産の状況、身辺者からの支援状況などどのようにして今の状況を切り抜けて安定した生活を手に入れようとしているかなど明確に記載しなければなりません。
出会いについては偶然なにかのきっかけで知り合いになって、お互い好意を持って恋愛に発展・・・・・という形が理想的です。関係も証明しやすいですし、何より事実を述べていくだけで審査に通る可能性が高いです。しかしそうはいっても「ツール」を使って出会ったというカップルも多いと思います。
「ツール」とは例えば結婚相談所であったり、出会い系サイトであったり、あるいは外国人のホステスがいるようなスナックなども含みます。ウェブ上と現実で「異性と出会う可能性の高い場所」と考えていただければ結構です。こうした場合はまず二人の交際に対する真剣度を疑われてしまう可能性があります。体やお金目的ではないのか、あるいはその場で高揚した勢いで結婚まで突っ走ってしまっているだけではないのか、このように審査官としては疑念を抱いてしまうわけです。
そのためこれらのツールが実在することを証明し、どのようなものであるのか説明ができなければなりません。その結婚相談所や出会い系サイトが詐欺まがいのものではなく、正規のもので信用のおけるものであると証明するための書類を集めなければなりませんし、またそれらを使ってどのように連絡をとっていたのかということも場合によっては提出を求められる可能性があります。そして二人の交際が真の愛情に基づく真剣なものであることを証明するためにやはり前述した写真なども必要となります。メールやラインでのやり取りを印刷するのも有効になりえます。
配偶者ビザに限った話ではありませんが、当然申請する外国人本人の素行も重視されます。真の愛情に基づく結婚であることを証明できたとしてもオーバーステイや犯罪歴があった場合申請が通らない可能性が高くなります。入国審査官は本当にいろいろな方法を駆使して申請者の素行や滞在中の生活態度などを調査します。嘘をつきとおすことはほぼ無理だと言ってもいいと思います。ですので申請の段階で、もし質問された場合は不利益なことであっても正直に答えることが必要です。多少の不利益であれば、反省の態度を見せさえすればリカバリーできる可能性もあります。